たあべのひとり言

うつ病の娘との10年間 悩み解決ブログ

双極性障害Ⅱ型10年目~薬をやめてみました

きっかけ

娘が薬の服用をやめて2ヶ月になろうとしています。
薬を服用しなくなったきかけは、

・一人暮らしで環境が変わったことと
・薬を飲むと気分が悪いこと
・副作用の心配
・妊娠出産の身体への影響の心配


妊娠出産へ向けて身体への影響が心配なのはありましたが、大きな理由は、薬を飲むと気分が悪いということでした。
薬を飲まなくてはと思うと苦しくなり、飲むと吐き気がしてくる。その気分悪さが嫌で飲まなくなったようです。
飲まないうちに一か月が過ぎ、そして2カ月になりました。
仕事も生活も問題なく、体調に良さそうで。薬を飲んでいた頃より活き活きと充実している様子です。

薬を飲まなくて通常の生活ができるのであれば、将来の生活設計が変わってきます。

主治医に相談し

薬を1ヵ月全く飲んでいませんが安定しているので、この先も飲まないでいきたいです。

主治医の返答は、

薬も症状も人それぞれなので、とりあえず止めてみて異変があったらすぐに連絡をすることで様子をみましょう。

薬は再発防止で飲んでいるので、支障がなければというか、本人の意思でやめているのなら様子をみるしかないようです。受診をこまめに様子をみることになりました。

「人それぞれ」「様子をみて」、今までも何度も聞いてきた言葉です。完全に治った事例はあるのかについても答えはもらえませんでした。
精神の病には答えがないようです。同じ薬でも、効く人聞かない人、完治する人、しない人。すべてが曖昧に思えてしまうほどです。
事例や統計も個人差があって、これという治療法や解決策も人それぞれのようです。
こうすれば治る、この薬が効くと、はっきり言えない病なのです。

それに、精神科の医師は、本人の意思をすごく重んじてくださいますので、優しさに甘えてしまいがちです。自分の治したい意志が一番の薬なのだと感じています。

精神の病は10年

10年前に読んだ本の「精神の病は10年かかる」がずっと頭に残っていました。「10年も!」と当初は果てしなく長く感じたのですが、その言葉のおかげで長いたたかいになる覚悟ができました。10年は見守ってみよう。それから先のことはその時点で考えよう。そう思えるようになりました。
今振り返ると10年はあっという間でした。

・10年前  ~ 突然の不登校、昼も夜もずっと眠り続ける感情がない日々の娘。
         (母:現実をなかなか受け入れられません)
・7年前   ~ 生きるのが辛いと訴える昼夜逆転生活の娘。
         (母:生きていてくれればそれだけでいい)
・3~5年前 ~ 冬春のうつ状態の時期と、夏秋の元気な時期を数年繰り返す娘。
         (母:娘の笑顔がずっと続きますように)
・2年前  ~半年ほどバイトに行けるようになる。
・1年前  ~初めて一年間休まずに仕事に行けました。
 

この数年、笑顔が増えて、気分が安定しています。
穏やかな優しさとの出会いで不安が無くなり、気持ちの安定を持続できている様子です。さらに、一人暮らしの生活での自立心と、時間と自由の心地良さなどで、気持ちにメリハリとやる気が出るようです。

数か月前までは、薬は一生飲み続けなければならない、と思っていましたが、飲まなくても安定した日々の今があります。
この先の安定は未知ですが、「治らない病気ではない」と信じることができそうです。

治らない病気ではない

学生の頃から、人間関係に翻弄されていた娘ですが、大切にしたい相手、心から安心して過ごせる相手ができたことで、心身ともに安定してきたようです。

1月から3月の冬場にうつ状態になるかならないかが勝負です。冬を乗り越えれば、春はなんとか切り抜けられます。
ムリして頑張ることで、うつ状態を回避できるのであれば、いい意味での頑張りは回復への一歩につながると思っています。

寛解」という表現は、長期に観察しないと「治癒」していたかは判断できないからといいます。それほど精神の病は再発の可能性が高いのです。

双極性障害Ⅱ型の場合、症状が軽度で躁とうつのサイクルが長い人は、薬物治療無しに長期に寛解を維持することも可能だともいわれています。ただ、薬物なしに安定を維持することは、本人の多大な努力と継続が必要になります。そして、再発のリスクは無ではありません。

まだ薬を中止して2カ月なので、「薬無しで再発しない」かはわかりません。なによりも、生活が長期に渡り安定していることが何よりの理想です。様子を見ながら、薬なしの生活を目指していきたいと思います。

「結局、双極性障害ではなかった」こんな可能性もあるようです。