⑩双極性障害Ⅱ型~再入院の理由
入院したい理由
一度目の退院からひと月が過ぎた頃、入院したいと娘が訴え始めました。
前回、家に帰りたいと言って無理に退院したことは記憶にない様子です。
●入院したい理由
・病気をきちんと治して仕事に復帰したい
・職場への休職の明確な理由がほしい
・イライラしてる家族から少し距離を置きたい
一度目の退院から仕事を休んで娘と過ごしていましたが、昼夜逆転の娘に合わせると疲れてしまいます。
何のために家に居るのだろう、一緒に居ても何も変わらない、とイライラすることが多くなっていました。
・病気を治したいという前向きの言葉が聞けたことで、再入院を決意しました。
双極性障害Ⅱ型と診断される
一度目とは別の病院に入院することにしました。
入院手続きにはかなり時間がかかり、待ち時間やこれまでの経緯等で、娘はぐったりしていました。
「双極性障害Ⅱ型と思われます」との診断でした。躁うつ病と言われる双極性障害、中でもⅡ型はうつ病の中でも数%のコントロールしにくい病気とのことで、眠れない、眠りすぎる、躁状態は軽めですが、うつを再発しやすい病気です。治らない病気ではありません。
認めたくない病名でした。「一生治らないのでは」と不安になります。
隔離される病室まで入ることはできなく、面会もロビーでしか会えません。
面会の出入りも厳しく、別入り口で受け付けをして、許可がないと入れません。
外観は窓枠は鉄格子です。
●入院計画
・まず二週間ほどは、隔離病室で過ごす
・自殺念慮がなくなったら、一般病室に移る
・数か月の治療後に職業訓練を行う
しっかり治すためのこの入院は長期になるかもしれないと覚悟しました。
退院と決意
2週間後、外泊許可で一泊後、病院へ戻る時間になっても動けず、頓服服用でどうにか移動することができました。
携帯が触れないことも、情報はすべて遮断されることも、すべて承知しての入院のはずでしたし、回復はまだまだ遠いのは確かです。
ですが数日後、やはり退院することを決意しました。
●退院の理由
・苦痛そうな入院生活を続けさせたくない
・社会復帰できなくても、家族が守る
・生きることを誓った娘を信じる
・何があっても家族の責任と受け止める覚悟ができた
入院はもうできない。薬を減らしながら、通院で治したい。
そんな娘の希望を、
次に出会った担当医は受け入れてくださり、
私たち母娘は真剣に双極性障害Ⅱ型と向き合うことになります。
入退院を経験して思うこと
・反省
娘を心配するあまり、過保護になり、甘やかしていたかもしれません。
その場その場で右往左往して、冷静な判断ができなくなっていました。
結果、担当医にご迷惑をかけることになりました。
一度目の緊急入院は仕方なかったのですが、二度目の入院は、もう少し話し合いが必要だったと思います。
・得たこと
手が付けられない状態でなければ入院治療はしなくてよいと思います。
また、本人の意思も尊重すべきですが、想定される苦痛に対処できるかも考えて、冷静な判断が必要だとわかりました。
入退院を経験したからこそ、今後の方針が見えてきたともいえます。